内科,小児科,アレルギー科
〒536-0021 大阪府大阪市城東区諏訪1丁目16-4
TEL 06-6965-3700

院長室

「メディア取材」

2022年2月4日8時半からNHKのテレビが当院に入りました。子供の新型コロナウイルス検査、特に核酸増幅検査(PCR)の撮影を望まれてました。
当時のPCR検査は外部検査所に出していました。1分間綿棒を口に含み、綿棒に付着した唾液のコロナウイルスを検査するやり方でした。
非感染者と感染者の動線を分けるべきですが、1階の隔離診察室でPCR検査をしてしまいました。2階が発熱外来専門のエリアです。
コロナウイルスの感染力は強く、2階での抗原定性検査を受けられた人、および1階でのPCR検査の映像は、TVカメラを据え付けた状態で撮影をされました。
今まで院内感染をおこさなかったのは幸運としか言えません。30分間同じ空間にいたら感染すると恩師に教わりましたが、短時間の検査と口の中を見るだけでしたので、広いスペースの部屋であったことが良かったのでしょう。
新型コロナウイルスの患者さんの喉をいつもみてますが、「口蓋弓にほんのりと赤みがあるとコロナが疑われる」「インフルエンザでは氷が張ったように赤くなく光っている」「赤過ぎる喉はコロナではない」といった持論をもって検査をしています。
NHKTVホットニュース関西18時から放映されました。電話対応をスタッフがしてくれて助かっています。取材を機にさらに一層検査をする気持ちが強くなり、また現在は島津製作所のautoAMPを導入して午前中の検査では即日結果報告できます。
まだまだ入院調整が行政主導であることが現場として回りくどいと感じています。病院に電話をしてすぐに引き受けていただきたいです。
(2022.6.3)

TV TV

 

「コロナ検査2021」

当院は昨年11月24日城東区唯一の公表コロナ検査診療所となった。メディアから取材の申し込みがあったがお断りした。
当初はコロナ簡易抗原検査であった。数名の陽性者が出た。ある機会に検査会社がコロナPCR検査を行っていることが分かり、今年初めからPCRの検査問い合わせが多くなった。
スタッフは発熱者の電話応対に忙殺され、朝夕の1時間の発熱外来に検査予約者を割り振り多忙であった。
たまたま医院の2階が空室であり、そこで診察及び検査をすることにして、一般患者との動線を分けている。
まだ検査をしていることで、来院控えをされ、診察控えされた方がいらっしゃる。
現在261件のコロナ検査のうち陽性は35件ほどである。発熱で検査を希望されても患者に対して、納得ゆく説明ができず、怒られるようなこともまれにはある。
ゴールデンウイークも毎日検査をして、土曜日も検査をして、翌日FAXの結果をみて、患者に電話をすることが半年続いた。
幼児の母親から「この大変な時に検査していただき有難うございました。無事、療養期間も過ぎ悪化することなく終えました。医療従事者の皆様に感謝いたします。ありがとうございました」とのメッセージを5月9日にいただきました。
検査ができるならするのが当然と思っていたが、まだ今後も続きそうである。
(2021.7.16)

院長室

 

「小児かかりつけ診療料のメリットについて」

当院は二度目の小児科外来診療料を届け出たが、現在は、さらに小児かかりつけ診療料を届け出ることで診療報酬が5千点から8千点は出来高に比して高くなった。
特に3歳以上でもかかりつけ診療料が取れるようになり、プラス効果が大きい。抗菌薬適正使用の初診時80点加算も大きい。
時間外でも出来高と同じ加点がある。小児科外来診療料では減点される。
1年半にわたり、出来高と包括の比較を毎月行い、マイナス要因は余計な検査をしない、プラス要因は再診を増やし、かかりつけになってもらうこと。
簡易キットでのウイルス検査は、必要時やらざるを得ない。キット代だけなら持ち出しはすくない。
経営指南(俗にコンサルタント)は、小児科は出来高のほうがよいと言ってるが、私としては、高額な持ち出しになるアレルギー検査を最小限にすることでストレスなく、包括の方がメリットはあると感じている。
当地区での小児科医院でかかりつけ診療は2か所と少なく、多くが検査をたくさんして診療料を稼ぐしんどい医療を続けているのが現状である。おかしい。
(2021.07.15)

 

「忍草 その1」

93歳女性 とある診療所に定期的に受診していたが、当院に、往診できるならお願いしたい連絡をうけた。
まもなく高熱を出されて、最初の往診をした。事前に、医師会の在宅医療連携のメンバーに加わり、夜のバックアップを得て、また夜間対応の訪問看護事業所と連携を持っていた。
往診後、市民病院に紹介し、検査治療がなされて、退院後在宅訪問診療が始まった。膀胱留置カテーテルをしたまま、時折カテーテル閉塞するので、洗浄が行われ、患者の精神状態は不穏であった。数か月この状態が続く。いちかばちか、カテーテル抜去してみたら、その後落ち着かれた。
水分摂取は、膀胱炎予防のために必要であるが、ままならない。繰り返す発熱は血尿を伴い、すべて抗菌薬でよくなった。
ショートステイで入浴してもらい、介護疲労から逃れられる体制をえて、3年11か月の長い在宅療養生活を経て97歳目前にして永眠された。
親の介護を自分がするんだとの強い意志があってこそできる。早くに父親が亡くなり、女手だけで育て上げてくれた恩に感謝してなしえた尊い日々であった。
看取りの部屋は、病室以上である。家族だけがいて、静かに天寿されるその場は清いものであった。
(2021.02.08)

 

「この世に神様が存在すると思った新生児心疾患での出来事」

シルバーウイーク初日の令和2年9月19日土曜日午後、私はアルバイト医として新生児心エコー検査を某産科医院で行っていた。
数名の心エコー検査が終わり、残りは生後11日目の赤ちゃん2人であった。その二人とも私が診断したほかに、放置すれば致命的なことになる複雑心奇形が隠れていた。
幸いに、二人とも市立総合病院小児救急科が同日の入院を受け入れてくれた。心臓疾患であったが、連休最中であり、他に選択の余地はなかった。
翌々日22日の深夜、私は急病診療所の内科医師として働いていた。コロナ患者も減少してきて、0時頃一緒に出務していた医師の中に、市総合の小児循環器科の医師が来ていることを知った。
喜び勇んで医師を訪ねて、紹介した赤ちゃんのことをお聞きした。すると、一人は総肺静脈還流異常症、心不全、心房中隔欠損症、肺高血圧であった。早期手術が必要である。
二人目は大動脈縮窄複合、左心不全、動脈管開存症、僧帽弁閉鎖不全症、ショーン症候群である。集中治療室に入室させ翌日緊急手術になった。
同じ日に、同じ病院に緊急入院を依頼したことは初めてであった。しかもその病院で、その子たちの心エコー検査をしてくださった医師と、年に数回しかバイトで出務しない急病診療所でお会いして話を伺うことができたことは、私にとってこの世に神様がいると思えるような出来事であった。
(2020.10.15)

 

「出来高から小児外来診療料に変更します」

当院は大阪府医師会から、日本医師会かかりつけ医研修修了証をいただいております。研修内容は成人に特化したあらゆる疾病に関するものです。また当院は、城東区医師会在宅医療連携に加わり、24時間みんなで支えあう連携型在宅療養支援診療所でもあります。小児科医として保健センターでの乳児健診や、園医、予防接種もする小児かかりつけ医資格も持ち合わせたいわゆる総合医です。
最近、介護支援専門員講習受講資格試験の勉強を通じて、市町村が実施する、地域のボランティアを活用した日常生活介護支援総合事業として、医療と保健と福祉が一体となった住み慣れた地域で自立した日常生活をすごすビジョンを高齢者、認知症、障がい者すべてにおいてみんなでかかわることを学びました。
厚生労働省は、医療計画を十二分に諮問機関にはかり、練っているようであり、診療報酬の出来高から包括への流れは変わりそうにありません。
これまで、必要な検査、求められる検査を、希望に応じて行ってきました。5千円ほどのアレルギー検査もしかりです。
細菌検査に興味を持ち、グラム染色と同時に細菌培養同定も行ってきました。
しかし、薬、検査すべて包括された診療料に今後変更することにしました。
理由は、小児や妊産婦医療が今後手厚くなりそう、保険制度上ではRSウイルスを検査できる年齢が限られていて保育所の要望にこたえらないこと、アレルギーの有無をスクリーニングで検査するなら最低限必要な3個に減らすこと、そしてなにより、包括と出来高の診療料が違いすぎること、がありました。
診察料について詳しく説明します。
出来高での3歳未満の初診料は567点(1点は10円ですから5,670円)。再診料は168点(1,680円)。
小児かかりつけ診療料(要届出)での初診料682点(6,820円)。再診料413点(4,130円)。こどもは2割の自己負担ですが、乳児医療証があれば、最高でも500円です。
出来高で再診料は330円なのです。
とりあえず届出不要の小児科外来診療料にて会計します。検査、処方、点滴すべて一定金額です。かなり私にとって窮屈な診療となりそうです(1か月だけ過去に包括にしたことがあります)
(2019.10.29)

院長室


 

「樋口学術奨励賞を大阪府内科医会から授与される」

小児急性鼻咽頭炎での抗菌剤使用について、確たる基準がなく、熱が高くて心配だから抗菌剤を出しておけば悪くはならないだろうとの考えで処方される場合が多い現状である。
当院では、中耳炎ガイドラインを参考にスコアリングを考案した。39度以上の発熱、CRP(炎症反応)陽性、臨床所見(膿性鼻汁、頸部リンパ節、鼓膜)を各1点、鼻咽腔細菌グラム染色検査での有意所見を2点とし、5点満点のうち3点以上ならば抗菌剤使用を考える。その結果、前年同期での鼻咽頭炎におけるCRP陽性だけでは全例に抗菌剤を投与していたものが、グラム染色を取り入れることで約半分に抗菌剤使用をへらすことができた。
国は2016年伊勢志摩サミットにおいて、薬剤耐性問題(AMR対策)を提唱した。日本の薬剤耐性菌の検出割合は、ヒトにおいてカルバペネム系以外は他国と比して高いものが多い状況を憂いて、2020年までに経口セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライドの使用量を半減させる目標をたてた。さらに、小児科外来診療料を採用している医院では抗生剤適正使用として、かぜに抗生剤を出さない場合に診療報酬の80点加算ができるようになった。
このような背景があって、当院の研究発表が高く評価されて、樋口学術奨励賞を福田正博大阪府内科医会長から授与された。
現在、当院の受付カウンターに表彰盾がおかれてあるが、身に余る光栄である。受賞に恥じぬよう、次は日本臨床内科医会専門医および介護支援専門員の資格をとり、小児科医でも内科や在宅治療もできるところを見ていただきたく頑張っている。
これからの地域包括ケアシステムを支えていく医師として尿の細菌検査をして効果的な抗菌剤使用を行うことが大事である。各位できることをしようではないか。
(2019.7.8)

院長室 院長室


 

「第122回日本小児科学会学術集会で早朝ウオーキングに参加」

平成31年4月21日(日)朝6時から7時まで金沢城公園をランニングやウオーキングできる企画にエイヤーの気持ちで参加した。前日懇親会でお話しした先生が城門から駆け下りてくる元気さに圧倒されたが、集合場所に行き、ウオーキングの人も多いことに安心した。朝のひんやりした空気の中、お城の中なのにウグイスの声が聞こえて、木立の参道のオゾンをいっぱいに吸い込んで約30分2kmの散歩を、普通できない気持ち良さを味わうことができた。すれ違う人はみんな特別な入城許可を得た医師ばかりだろうが、白衣を脱げば一人の人間に過ぎず、この人も医師か?と想像しながら挨拶したり。自分も同じであるが。出たいのに出なかったら後悔すると思った。企画された医局の先生方も10人ほどスーツ姿で随所に道案内に立たれておりご苦労様でした。
金沢は地方都市であり、多くが交通アクセスのよい東京など大都市において学術集会が開催されることが多い。金沢で西医体があった折、朝食の卵がいたんでいたことがあり、あまりよい印象を持ってなかった。最近家族と旅行して、近江町市場の海鮮丼を食べ、兼六園の樹齢何年という松をみたり、少し金沢もいいところと思えるようになった。
学会参加は、勉強のために必要と一般には思われるが、専門医資格の更新にも参加が必要で、座学であり、高名な先生も同じく、行列に並ばれており驚きもした。
好酸球性胃腸炎、好酸球性食道炎に胃潰瘍の薬が効くとかきわめてまれな酵素異常による脂肪肝に脂質異常の薬が効くなど、見識を新たにした。
「神様のカルテ」を書いた医師・作家の夏川草介さんの講演にも参加できた。医師向けの講演会が苦手で市民公開講座という形式であった。日本の医療を支える医師は本当に頑張って素晴らしい人が多いが、メディアが神の手でなんでも治るようなことをあおり、患者にも多様性があり、いくら赤ひげ先生を目指そうと思っても、日常の仕事量、人間模様から理想とする医療とかけ離れてしまう現状であり、老いた患者さんから学ぶこともあり、医師にしかできない仕事にもっと誇りをもって仕事をし、次の世代が暮らしやすい時代が来ることを願って、今回小児科学会で講演を引き受けられた思いが感じられた。
(2019.4.25)

院長室

 

「フィッシング詐欺にあってしまった」

1月21日、NTT代理店からウイルス対策不十分なフレッツ光の契約のため1月25日訪問のアポイントをした。1月24日午前診の終わりかけ、パソコンでGoogle地図でコインパーキングを検索していると、突然大音量で「ウイルス侵入。パソコン危険」のアラームが鳴り、パソコン音量を下げようとしても操作不能になり、職員がいる手前、無様であり、なんとかしようとMicrosoftの画面に表示された電話番号0368514294 ISUPPORTに電話をかけてしまった。
6か月280ドルのクレジット払いによるサポート契約。1時間ほどかけて遠隔でパソコン操作された。パソコンにはremage Repairのインスツール、Team Viewer14, I SUPPORTというアイコンやファイルが残った。
その後1月25日NTT西日本販売パートナー(株)TNSの業者が来てルーターの横に月6千円の回線サービス申し込み、信販引き落としの契約をしてしまった。不安にかられ、NTTをかたる業者の契約を週明けに解除申し込みし、銀行へ口座引き落としの有無を確認し、警察へも連絡した。クレジットカードも停止したが、警察曰く、パソコンの修理サービスを受けてるし、コールセンターも存在するし、一概に詐欺とはいいがたいとのこと。こんな業者が世間ではびこっていることを、友人4人に聞いたら、3人が同じウイルス侵入に会い、2人がお金を振り込んでしまっている。
(2019.3.15)

 

「成人で経験したことのないフローボリュームカーブは実はACOであった」

長引く咳で受診され、診断に苦慮しており、喘息として吸入ステロイド気管支拡張剤の配合薬を処方したきり、通院されない患者のことが悩みであった。そんな折、ある製薬メーカーの案内で前日であったが、大阪上本町呼吸器研究会で症例提示の機会があり、相談することができた。
喫煙歴10パッケージイヤー、胸部CTで気腫性変化、などあればACO(喘息とCOPDのオーバーラップ)が診断基準である。胸部CTや単純胸部レントゲンの読映を教えてもらった。小児喘息専門医であって、成人の呼吸疾患の幅の広さに目を見張った。
経験したことのない努力性肺活量には、やはり内科呼吸器専門医に相談する必要を感じた。
今年の小児アレルギー学会で、子供の喘息は、3歳まではウイルス性気管支炎で喘鳴をきたすことが多い、しかし、その中には喘息があり、呼吸機能が低下していると6歳でも低下例は、成人に喫煙、大気汚染など影響され、COPDになるといわれ、呼吸機能検査は重要だ。
(2018.11.17)

 

「第32回日本臨床内科医学会ポスター発表無事終える」

平成30年9月16日パシフィコ横浜で開催された上記学会で、「小児急性鼻咽頭炎での適正な抗生剤使用のためにグラム染色を用いたスコアリングの検討」について発表しました。学会発表は随分久しぶりでした。グラム染色を開業医がすることが非常に珍しく、刺激的であったと座長からお言葉をいただきました。小児科医が内科の学会で発表することも珍しいことでしょう。開業30年の集大成として生活習慣病のまとめを平均75歳の患者について発表された先生の後でした。残念ながら聴衆は他の小児科学会やアレルギー学会ほどの
あふれんばかりの人数ではありませんが、この日のために行ってきた準備に収穫がありました。小児呼吸器談話会で発表し、アレンジしてまとめてみたら学会で発表できるかもしれないとアドバイスをいただきました。ポスターはクリニックに掲示してスタッフに見てもらい、発表の練習もしました。
よかったです。今後さらに精進してまいります。宇宙ロケットはやぶさを開発された的川さんの話を聞きました。適度な貧乏が下町工場の協力を得られて、関係者の努力が和となって、困難にも立ち向かえて、はやぶさは帰還したとのことです。わがクリニックも、派手なことはできません。地道に、したいことをあきらめずに続けていきます。かぜには抗生剤は効きません。抗生剤は発熱しても飲まないで、ひどい症状だと医者が思ってから飲むようにしないと、抗生剤耐性菌がはびこる怖い状態になります。風邪、中耳炎の1%くらいしか抗生剤は使わないという先生もおられます。みなさん読んでくださりありがとう。(2018.9.21)

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「グラム染色を始めたが、開業医としてこの使い方とは」

このたび武藤薬品からバーミ―法というセット薬品が出ていることを知り、診療に取り入れた。わが娘が小さいときある医師が、「のどの細菌検査をして溶連菌ですねと言っていた」と妻から聞いたとき、「へえーすごいな」って返事をしたらしい。現在では、溶連菌検査キットがあり、簡単になっているのでわざわざ手間をかけてする必要がないかもね。のどや鼻には常在菌といっていろんな細菌が住みついており、肺炎球菌はよく見られるので、どの菌が悪さをしているか判断に困る。
最近3件の興味ある症例があった。下痢で救急病院を受診したが抗生剤を飲んでもよくならず服薬をやめて当院を受診された。粘血便があり、雑多な菌がみつかったが、キャンピロバクターという菌を見つけられなかった。次は溶連菌を疑ったが、顕微鏡検査をする時間がなく、メイアクトという薬をだしたが、症状がよくならず再診され、実は溶連菌がいたんですよと言い、簡易キットで再検査して陽性を確認し、ペニシリンの追加投与でよくなった人がいた。
また1日の診療を終えたころ、患者で看護師の娘さんから電話があり、「父が寒冷ふるえを起こすほどの高熱をだしたから、往診して点滴してほしい」と言われた。CRPラテックス陰性だから風邪かなと思っていたが、翌日ご本人が受診され採血して、その結果が悪かったのですぐに病院に紹介状を書いたところ、救急医は検尿して、膿尿であったため、グラム染色して菌を認め抗生剤を使って数日の入院でよくなられた。
今、簡単に抗生剤を使ってしまう、または希望される人が多いが、むやみに使うことは薬剤耐性菌を増やすことばかりか、入院したときに起炎菌が見つからなくしてしまう弊害もある。
検査会社に細菌検査を依頼するが、結果はすぐに戻ってこない。これでは意味がないのです。グラム染色は、検体を取ってガラスに塗り付けて乾燥させ、3~4種類の染色液を用いて染めた(数分)のち乾燥させ、顕微鏡で細菌の観察をするものです。やはり菌を培養して、同定することが大事ですが、院内で検査することも血便などでは有用でしょう。
当院の感染症診断の一助として、グラム染色を活用していきます。
(2017.11.30)

 

「城東区医師会創立70周年を祝う会」に参加

平成29年10月28日(土)に大阪帝国ホテルで城東区医師会創立70周年を祝う会が催されたので参加しました。昭和22年に医師会が設立され昭和49年に鶴見区ができ分区されました。昭和22年当時は66人の医師会会員が、今では勤務医も併せて300人を超えています。在籍30年以上の先生方の表彰があり、会長が晴れがましいことをやめ、会員の家族をもてなす催しをしたいとのことでしたが、とても楽しい祝宴でした。それも余興として創立95周年になり、松竹、近鉄、今は??でもへこたれずに劇団活動を続けているOSK歌劇団が盛り上げてくれたからです。久しぶりにショーをみました(昔はラインダンスだったような)。また抽選会があり、ホテル宿泊券1万円、食事券6万円、旅行券10万円と出席者150人のうち、30人ほどにプレゼントされました(私はずれ)。普段医師といっても個人営業みたいなもので話をすることもなく日々過ごしております。こんな時に初めて会うが、話してみるとわだかまりなくお付き合いできる楽しさが芽生えたりしました。
また95周年ついでで、私が所属しています大阪の名門尺八社中 都之雨社が昨年95周年を迎え、今年も11月18日(土)に定期演奏会が兵庫県立芸術文化センターで催されます。申し訳ありませんが、休診させてもらい出演します。下手の横好きにも及ばないのですが、来年開軒40年になります。創立100年を目指してみんな高齢ですが、行けるとこまでという思いで続けています。今年は花紅葉を近畿宮城会桐絃社の先生と合奏します。桜とかえでをめでた唄ものです。(2017.11.2)

 
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「はじめての野菜作り」

最近、家庭菜園ブームですね。私もホームセンターの園芸コーナーで野菜苗を見つけ、去年は雑草抜きしかできなかった畑で今年は野菜作りに挑戦しました。畑の小石を取り除きながら、土を柔らかく耕土して、苦土石灰やたい肥を1週間の間隔をおいてまき、わずか一坪ほどですがマルチをかぶせた畝を2列作りました。苗はスイートトマト、キュウリ、ゴーヤ、ロロンカボチャ、オクラ、サツマイモを2株ずつです。所狭しでサツマイモは畝の壁面に植えました。畑づくりが面白くなってきて、また新たな畝をもう一坪つくりました。つぎは、強風のため根付かなかったトマトを接木つきの2株(大きくなるまで自宅で育てました)、インゲン、枝豆、ホウレンソウ、小松菜を種まきしました。芽が出るまで毎日水やり、若葉が出るころ昆虫に食べられないように寒冷紗をかぶせ、梅雨になるまで、毎朝畑に通いました。河内の枝豆は有名とのことで、残っていた枝豆の種を3つ目の畝に植えました。
ホームセンターの苗だからと半信半疑だったのですが、キュウリ、ゴーヤはすぐできるし、剪定など一通りの処置はあるのですが、カボチャとトマトは朝早くに人工的に受粉させることが必要で、手がかかりました。でも夏になり収穫時期を迎え、キュウリはみずみずしいし、ゴーヤは苦くないし、カボチャも甘すぎることがないし、ホウレンソウは柔らかいし、オクラも柔らかいし、スイートトマトは本当に甘いし、数日おきに取り入れに畑に行ってます。キュウリは葉っぱの陰に隠れていたりして、気づくのが遅れると、もう瓜状態でばかでっかい。オクラも大きくなるがまだ食べられます。お店の商品ほど大きくないが、自分で作った野菜は本当においしいです。
トマトはクラブの合宿で昼の休憩時に、お店で買ってほおばったあの甘いトマト、また農協の朝市で売ってた不正形だが真っ赤に熟したトマトの味が忘れられず、トマト栽培にこだわりました。尻腐れ病になって、心配しましたが、肥料を追加したり、余分な実や葉、枝を切り、カルシウム不足対策をして、なんとか今日10個ほど赤い大きなトマトを収穫しました。
しかし、右肩の痛みを感じて、湿布を貼って療養中です。トホホ。(2016.7.27)

 
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「診察室って緊張するな~」

診察室で、初対面の人との面接時に、問題が起きてしまうことって残念ながらあるのです。神田橋條治著「追補 精神科診断面接のコツ」に次の文章を見つけ、なるほどと感心しました。

{面接の第一幕は、患者が診察室に入るまでである。通常、患者は待合室に待っている。そこに医者が出向いて、自己紹介、つまり名を名乗り、自分がこれから面接する担当医であることを告げるのが標準的な手順である。そうすることが好ましい理由は幾つかある。第一の理由は、その方が、患者にとって柔らかな場となるからである。皆さんが、これまでご覧になった無数の映画の場面を思い出してほしい。主人公の居るところへ、見知らぬ人がやって来る場面と、見知らぬ人の居るところへ、主人公が入っていく場面とでは、圧倒的に後者の方が緊張する場面である。つまり、第一の理由は、こちらが出向くのが、お客さんを楽な気持ちにさせてあげる心遣いであるということである。

第二の理由は、刺激の少ない場面での患者の状態を観察し、自然な場での生理、行動、言動の所見をとらえる好機であるからである。診察室にはいることは、かなり強烈な刺激であり、そのための反応、多くは身構えが加わって、状態の細かな点が覆われて見えなくなってしまう。ことに、付き添っている家族と患者との人間関係つまり家庭の雰囲気は、往診という特殊な場面を除けば、待合室を訪問した瞬間に最も正確に把握されるものである。}

患者さんが診察室に入ってくるときの緊張を今まで以上に和らげることができるよう頑張ってみます、こちらから待合室に出向いていくことも大事になってくるかもしれませんね。
(2016.2.3)

 

「産業医活動」

産業医とは、クリニック診療とは違った内容であることを実感しております。小児科医にとっての乳児検診が難しいのは、授業で教わらなかったからのごとく、一般医にとっての産業医活動も授業で教わらなかったから難しい。専門であればあるほど辛口に説教じみたことをいいます。知らない事では口が重いです。運輸会社から産業医要請をうけたが、お受けできず再度資格取得を目指しております。

労働者の健康管理として定期健康診断の判定、超過勤務者との面接、休業診断の承認など、事務職での経験です。4-5月の年度末には一時的に超過勤務が生じ30時間から100時間となります。医師は労働者の申し出により、施設の基準を超えた労働者との面接を行い意見を述べることが労衛法で規定されています。厚労省「長時間労働のメンタルヘルスマニュアル」を使って、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」および「周囲のサポート」全53項目について問診をします。中小企業向けに簡易版で27項目になったものもあります。仕事のストレスを感じている場合が多くても心身のストレス反応が出るかどうかは人によって異なります。「落ち着かない」「不安だ」「よく眠れない」「だるい」「へとへとだ」「気がはりつめている」など1-2個でもある人は仕事量が多すぎると思われます。でも次月は超勤を減らしてくださいとしか言えません。事業所に意見を述べることは経験豊富な産業医でも難しいのではないでしょうか。

その他不眠、めまいなど健康相談をうけたり、概ねセカンドオピニオンのようですが、自分で解決できないものは、どなたかを紹介したり、専門外の知識も幅広く知っておくことが必要だと思っております。
(2015.6.21)

 

「患者様が第一」

開業して1年の謝恩会を行いました。今のスタッフは勤続7~10か月です。楽しい宴会になるよう子達のゲスト参加もしていただきました。顔の見える職場でありたく朝礼、さらに終礼を行っています。でも悲しいかな開業なんかしなければよかったと思うことがありました。業者が魚の目、鷹の目のようにセールスをかけ、話し込んでいる間に受診された患者様をないがしろにしてしまった出来事です。以後私たちはこのようなことを繰り返さないよう患者様が第一の気持ちで、お待ちいただくときにはお声をかけて了解していただけるか説明をいたします。業者には診療時間外に院長と面談するよう徹底させていただきます。1年経過し若干気持ちの緩みがあるようです。

ここで「医院是」として次の8単語をモットーとして職員一同仕事に励みます。「地域region」「平等equality」「安全safety」「説明explain」「学習learning」「根気effort」「倫理moral」「共感comfortable」です。地域の人には開業後本当にお世話になりました。継承医院であり最初から立ち上がりがスムーズで有難かったです。またワクチンにおいても、自費ワクチンの不活化ポリオのため遠方から来ていただきました。

皆様には納得の行くまで誠意を持って説明に尽くし、そのためには新しいことを学習し、チャレンジし、モチベーションを高く持って、皆様に平等に接し非倫理的なことは行いません。城東区医師会諸先生にもお世話になり、若い医師会でここで開業してよかったと思っています。

来年1月17日には大阪市立総合医療センター糖尿病ネットで、「無症候性心筋虚血の1例」を発表します。さらに3月9日には小児気管支喘息研究会で「成人アセチルコリン吸入試験からみた小児喘息のアウトグロウについて」発表します。私にとって喘息との付き合いはライフワークです。糖尿病においてもそうありたく思っています。

本当に地域の人に愛される医院作りを目指しますので、スタッフ一同これからもよろしくお願い申し上げます。
(2013.1.7)

 

イギリスではB型肝炎ワクチン接種が勧められています。僕もうちました

大学の研修医時代に受け持った娘さんが成人して今イギリスに住んでおられるのですが、私のクリニックが開院したので、帰国した折に息子さんを伴って訪問してくださいました。かわいい僕ちゃんです。イギリスでもB型肝炎ワクチンは任意接種とのことですが、もう接種されたとのことです。

日本もイギリスも、まだB型肝炎ワクチンが定期接種になっていない世界中10か国の中に入っているそうです。劇症肝炎や肝がんになるウイルスですので、子供のうちに接種しておく方が、抗体ができやすいのでいいのです。

日本では今までの遺伝子型Cが中心でしたが、最近欧米から遺伝子型AやDが入ってきて、慢性化しやすいタイプとのことです。今ワクチンの進め方として、広く集団感染するものを予防することの次は、癌化するこわいウイルスを予防する考えで進んできています。

日本で使えるワクチンは遺伝子型A、C Dのものに有効性が確認されており、比較的お安いワクチンですので、3歳未満のお子さんには積極的に打つように考えて下さいね。イギリスから来て下さったキャシディ千絵さん、お元気にお過ごしください。旅のご安全をお祈りします。
(2012.5.31)

院長室

 

HPVワクチンをうちましょう

HPVワクチンを9歳から26歳までの女性はうちましょう

20~30代の若い女性に、子宮頸がんが急増しています。HPVは、子宮頚がんだけでなく尖圭コンジローマや外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍などの発症にも関与しています。

高リスクHPVはHPV16, 18といわれ頸がんなどをおこし、HPVワクチンによって97%~100%予防され、低リスクHPVはHPV6, 11といわれ再発性のコンジローマや乳児の喉頭腫瘍をおこしワクチンで100%予防できます。

20代女性でのHPVウイルスの感染率が高く(20代90%対30代76%)、ワクチンの長期効果(8年)があり、自然感染よりもワクチンでは3回接種によるブースター効果と血液に弱毒ウイルスが入ることで、抗体価が高く維持されるようです。

23年度は中学1年から高校1年までの女子に公費助成がありましたが、次年度も引き継がれる見込みです。保険適応はなく自費(1回接種1万円ほど)ですが、9歳から26歳の対象年齢の女性はHPVワクチンを打って、なおかつ、子宮頸がん健診を20歳以上になったらうけましょう。
(2011.12.18)

 

「医療はすべての人に平等である」

この言葉は、ある病院勤務のときに院内掲示されていた標語です。さらに、私たちは医療のプロであらねばならず、独立してあらためて、その責任を感じています。専門家として、今なお学会発表を続けて業績を上げておられる先生には敬服のきわみであり、刺激を受けております。

今、私に出来ることは、検査が得意なので、CRPラテックス(新生児病棟で使っていた)、血球計算器(白血球の研究で購入したことあり)、顕微鏡を用いた検尿検査など、今では検査屋さんに出すようなことを自分で行い、日々の診療に生かすことだと思っています。

大人では、健診から大きな病気がわかることが多く、CTでいろいろな癌が見つかっています。些細な訴えから検査をして、出来ることはレントゲン エコーしかありませんが、疑わしきは、近くの病院に紹介して、CT MRI エコーをしてもらいます。

アトピーといえば、一時の騒ぎがどこへ行った感もあるほどコンセンサスが得られましたが、食べ物アレルギーに関しては、食べて治すという大きな変化が起こっています。ただ非常に判断が難しい。むやみにすべての食べ物をチャレンジできないのです。ヒスタミン遊離試験という試験管内での反応ですが、昔の検査ですが、これを用いて食べられるかの判断指標にしようかなと思っています。

長年思い続けていた開業医生活のはじまりですが、医療はクリニック内だけではなく、各家庭にも病気の人がいて、色んなサービスが期待されていることを知り、ワクチンでも新しいことには手が出ない状況ですが、それでもよろしくお願いします。
(2011.12.13)